鼠が紡ぐ物語。

それはちっぽけな一匹の鼠が描く、小さな小さなお話。

こんな毎日。

馬鹿みたいだけど、それが青春なのだ。

 

ポケ擬の学パロです。

今回長いです。

 

 オレはギル。一応この学校の生徒会長。ここの学校は毎日騒がしい。

変わり者が多いからだろうか。

今日もオレはいつも通り、授業が終わった放課後に廊下を徘徊していた。

ん?何で徘徊なんかするのかって?

 

人間観察もオレの趣味っていうか・・・

・・・オレも充分変わり者だな。

ここは中高一貫校だから階によってだいぶ騒がしさが違う。

 

中学生の校舎を歩いていたときだった。

 

「あ、リーダーじゃーん!」

聞き慣れた明るい声。

声の主はイルニスだった。

イルニスはオレを見つけるとすぐに駆け寄ってきた。

相変わらず元気のいいやつだ。そいつの目は常に光を宿してキラキラと輝いている。

「リーダーいっつも暇そうだよなー。こんなところで何してんの??」

イルニスは耳をひこひこさせながらオレに問い掛けて来る。

「・・・別に。なんもしてねーよ。」

「えぇー・・・何それぇ」

オレの返答に不満でも感じたのか。イルニスは子供みたいに頬を膨らましている。

 

・・・あ、子供か。

 

「むーリーダーはヒマでもオレ様は忙しいの!今から剣道部見に行くんだもん!」

 剣道部…あそこには確かクルリがいたよな。

「…はいはい。そうですかい。んじゃ早く行ってこいよ。」

そう言うとアイツは走っていった。廊下は走るんじゃねぇ。

 

また歩き出すと、部活の人間しかいなくなったせいか、廊下はだいぶ静かになっていた。

人のいない廊下っていうのもなかなか寂しいものだな。

そんなことを考えていたら。

「お兄ちゃーん!!」

これまた聞き慣れた声。

妹の声だ。

「お兄ちゃんお兄ちゃん何してるのー?あたしに会いに来てくれたの?」

「ちげぇよ」

別に学校で会わなくても家で会えるだろ…

「なぁーんだー違うのー?」

がっかりした風に妹、ルルはそう言った。

ルルは陸上部の部活着のすそで汗をぬぐっている。

「部活中か。」

「そうそう。水飲みに来たんだよー今休憩中なのー」

にこにこしながらルルは話している。

…陸上部って大変なんだなぁ…。

「…ホラ、オレのことはいいから…部活行ってこい。」

「はぁーい。」

ルルはオレに手を振りながら校庭に向かっていった。

…ちなみにオレは部活に入っていない。

 

 

…そろそろオレも帰らねーと。

そう思って教室に向かっていた時だった。

「…リーダー見つけた☆」

…でたよ。

ノイズ。クソ生活委員長め…

「ホラホラ何してるのー部活無いならもう帰らなきゃダメでしょ」

そう言いながらオレに抱き着いてきやがった。

「うるせー今から帰ろうとしてたところだよ離せ変態」

オレはノイズを振りほどいた(気合で)

「もう…つれないなあ」

…今日は諦めてくれたのか。いいから早く帰らせてくれ。

「じゃあ一緒に帰ろうか☆」

オレは変態の眼鏡をかち割ってやった。

 

 

オレが小さい頃想像してた青春とはだいぶ違うけど。

騒々しい毎日だけど。

 

今は、充実してる。

これがオレなりの青春なんだろうな。